危険!?歯を抜けたまま放置したらどうなる?ー放置した場合のリスクを解説ー

2023.12.28

歯は全身の健康に大きく影響します。歯を抜けたまま放置した場合、どのような問題が生じるのでしょうか?

詳しく解説していきます。

 

歯を抜けた状態を放置するリスク

①隣接する歯の移動

歯がなくなると、隣の歯が動いて歯並びが乱れ、噛み合わせがくるってしまいます。

噛み合わせが悪くなると、噛むことに支障をきたすだけでなく顎関節症や筋肉の痛みを引き起こすことがあります。

②咬合力の変化

歯が一つでも欠けると、咬合力が偏り、残っている歯に過度な力がかかり、歯の欠損や損傷を引き起こすリスクが高まります。

③顎の骨の退縮

歯が抜けると、骨の退縮が始まります。

骨の退縮は、顔の形状の変化を引き起こすことがあります。また、骨の退縮は、将来的な歯科治療(例えばインプラント)を困難にするリスクがあります。

④消化不良

歯の欠損は、食べ物を噛む能力を低下させます。

十分に噛まれていない食べ物は消化が不十分なため栄養吸収の問題を引き起こします。

⑤発音の問題

特に前歯が欠けている場合、言葉の発音に影響が出ます。

これにより、日常会話でのコミュニケーションが困難になる場合があります。

⑥審美的な問題

歯の欠損は見た目にも影響を及ぼし、自己評価の低下、コミュニケーション能力の低下につながり引きこもる傾向が強くなります。

⑦口腔内の他の問題

歯の欠損部分は、食べかすが溜まりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

⑧精神的な影響

人と話すことや笑うことに自信がなくなり日常生活や社会生活に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑨全身の健康への影響

口腔の健康は全身の健康と密接に関連しています。

口腔内の炎症は、体の他の部分に炎症を引き起こすことがあり、心臓病、糖尿病、脳疾患、早産、その他の慢性疾患のリスクが高まる可能性があります。

 

歯を失った時の治療の選択肢

インプラント

インプラントは人工の歯根を顎骨に埋め込み、その上に人工の歯(クラウン)を取り付ける治療法です。インプラントの主な利点は、隣の健康な歯を削る必要がないことです。短所は手術が必要。治療期間が3か月程度かかること、費用が他の選択肢に比べて高い場合がある。

ブリッジ

ブリッジは、欠損部分の両側にある歯を削り橋をかけるように欠損部を補う治療です。比較的短期間で終了し、入れ歯の様に取り外さなくて済むのが長所です。しかし、ブリッジを支えるために隣接する歯を削る必要があります。

部分義歯(パーシャルデンチャー)

取り外し可能な義歯で、欠損部分に合わせて作られます。他の歯への影響が少なく、コストも比較的低めです。ただし、取り外しや清掃が必要であり、違和感を感じることもあります。

完全義歯(フルデンチャー)

多数の歯を失った場合に選択されることがあります。口腔内のすべての歯をカバーする取り外し可能な義歯です。

 

まとめ

歯を抜けたまま放置することは、口腔内だけでなく全身に様々なリスクをもたらす可能性があります。これらのリスクを踏まえ、歯を失った場合はできるだけ早く歯科医師に相談し、適切な治療計画を立てることが重要です。適切な治療を行うことで、これらのリスクを最小限に抑え、長期的な口腔健康を保つことが可能になります。

インプラントの症例リンク

記事の著者
しんぽ歯科医院 院長 新保 城一

しんぽ歯科医院は平成9年の開業当初より一貫して最先端の予防歯科医療の普及に取り組んでまいりました。

最初は治療目的で来院された方も歯科において予防がいかに重要であるかを十分に納得され、現在多くの方々が定期的にメインテナンスを目的として来院されています。