スウェーデンマルメ大学
2016.07.07
昨日無事帰国しました。
患者さん、スタッフ、熊谷崇先生はじめオーラルケアの大竹社長はじめ多くの方のおかげで大変有意義な研修となりました。
最終日には全講義に対しての質問の時間が設けられていて沢山の質問がなされました。
…
その多くはスゥェーデンの、保険制度に関するものでした。
またマルメ大学に留学中の日本人歯科医師の先生方とランチをする機会もあり様々な話しを聞く事ができました。
今回はスゥェーデン第3の都市のマルメ市にある大学のみの研修でしたのでその州に限定されていますが知りえた事は
数十年昔は国民の口腔内は惨憺たる状況であった。
国家レベルで大規模な研究を行い様々な取り組みをし良い状態へ変化した。
子供の歯科治療や予防処置は全額無料でなされた
その時期に徹底的に口腔衛生教育を行なった
同時に、フッ化物を積極的に摂取する事で虫歯の発生率が劇的に減らす事が出来た
今回のエリクソン教授のボスでもあり熊谷先生が師と仰ぐボーグラッセ教授が子供のシステムを成人に利用出来るようキャピテーションシステムを作り上げた
スゥェーデンには2通りの歯科保険制度があり出来高払い、キャピテーションシステム これは殆どが公的歯科診療所にて行われています。
出来高払いの自己負担率は日本と比べるとかなり高く全額自己負担になる事も多いがそちらを選択する人も少なくない。
キャピテーションシステムはリスクに応じて自己負担率ご変わり一定の金額を払うとメンテナンスは自己負担無し、治療になるとかなり限定された治療費のみ保険給付あり。
1年前の見直しなので治療が年越す場合は歯を残すより抜歯を希望する方が多くとの事。
このどちらにも属さない個人開業医もかなり多く、こちらは日本の昔の様に保険給付額プラス実費の差額徴収が認められており歯科医師自身が治療費を設定出来るが公表する義務があるとの事。
伝統的に個人開業医を好む患者さんもかなり多く、この場合はメンテナンスも自己負担。
鋭い質問が飛び出し将来的にキャピテーションシステムはどうなりますか?と聞くと
わかりませんとの事でした。
現在マルメ大学の患者さんは外国人のみで歯科医師同士の会話は英語は使ってはいけないそうです、また外国人歯科医師の留学も、制限したりと色々苦労がある様です。
このマルメ市においては10年前移民は数パーセントであったのが現在市民の3分の1が移民となり、数ヶ月前までは駅に野宿する移民でごった返していたそうです。
財政の状況と治安はかなり悪化しておりユーチューブなどで見ると恐ろしくなるような暴動や事件、よく無事に帰ってこれたなぁと考えてさせられます。
歯科治療は常に経済状況で変化します、歯科先進国であっり福祉国家のスゥェーデンの行く末を日本がたどらない事を祈ります。
最終日のパーティーで熊谷先生の息子さんで米国クレイントン大学で歯周病の教授で開業医でもある宮本先生のスピーチはとても印象深いものでした。
アメリカでは商店主がウォールマートに買収されると決めた値段で買ってもらえるので思考や努力を忘れてしましダンピングされても何も感じなくなると。
それは歯科医師にはあってはならない事で自分の治療費は自分で決めると。
先生は完全プライベートで保険会社も通さず開業しているそうです。
一方国家公務員の歯科医師、衛生士が多いスゥェーデン。
スピーチを聞いている反応はあえて言いません(笑)
本当に良い機会を与えて頂き関係者の方々にこの場を借りてお礼を申し上げます。