Facebook『歯科塾』より

2013.04.26

 

Doctor’s File☆[File no.005](前編)

つじむら歯科医院 総院長 辻村 傑 先生】

神奈川県伊勢原市で、徹底した予防管理システムを構築することで、患者さんの幸せな人生をプロデュースしているつじむら歯科医院の辻村傑先生の思考に2日間にわたって迫ります。

… 浦濱(以下、浦):
「辻村先生が歯科医師を志したきっかけを教えてください。」

辻村先生(以下、辻):
「高校時代は、インターハイに出場するほど、乗馬に明け暮れる毎日でしたが、進路を選択する際に、このままエスカレーター式で大学に行くのは嫌だと思い、将来のことを真剣に考えるようになりました。小さい頃はむし歯で苦労していたのですが、かかりつけの先生は、しっかりと説明をしてくれる先生だったので、ネガティブなイメージをポジティブに変えていくことのできる仕事に不思議な魅力を感じました。小さいころから細かいことやモノを作ったりすることが好きだったことも後押しして、歯科大学に進もうと考えました。」

浦:
「開業されてからはどういう経緯で現在の予防管理型の歯科医院を構築されたのですか?」

辻:
「当時は1日に80人から100人程度の患者さんが来院していて、丁寧な治療を心がけていたのですが、どうしても何年かすると再発して戻ってくる患者さんがいるという壁にぶつかりました。現在とは少し考えが違うのですが、当時は未熟だったこともあり、その原因は保険診療の限界にあるのではないかと考えるようになり、そこから包括診療という自費治療主体の診療をするようになりました。」

浦:
「それによって、先生の抱えていた問題は解決したのですか?」

辻:
「一口腔単位の包括診療をするようになったことによって、高額な治療費用がかかるようになりましたが、既に悪くなってしまった口腔内ばかり治療していくということに対して、何か自分自身が奪略的な治療を行っているような気がしてしまい、本当にこれでいいのかという別の疑問が出てくるようになりました。一時は歯科医師を本気で辞めようかというところまで悩みました。」

浦:
「どうやってその問題を乗り越えることができたのですか?」

辻:
「当時、私はドイツ式の包括診療を学んでいたこともあり、フランス、ドイツ、フィンランドなど各国の歯科医院を見学に行きました。そうしたら、国民の歯科医院の利用方法が日本とはまったく違うということに気がつきました。第一に、特にフィンランドではその傾向が顕著だったのですが、国民が歯科医院に来るのに嫌な顔ではなく、ニコニコした笑顔で来院していました。悪くなったら来院するという繰り返しではなく、しっかりした検査と診断に基づく治療とその後のフォローという体制が確立されていたんです。まさに直感的に「このスタイルだ!」と思いましたね。」

浦:
「日本に帰国してからはどのようにして具体的な形に落とし込んでいったのですか?」

辻:
「歯科衛生士とともに、予防先進国の予防管理方法を吟味することから始め、まずは、200名の患者さんに対してエビデンスを収集することから始めました。患者さんは疾患の根本原因がわかることから、納得感も高くなり、やはり笑顔で来院するようになりました。2003年から『やるなら全員にやろう』という考えで、すべての患者さんにこれを行うようになりました。」

浦:
「予防管理型の歯科医院を構築するというのは、スタッフにも負担がかかることだと思うのですが、スタッフから異論が出ることはなかったのですか?」

辻:
「それはなかったですね。実際に患者さんの状況が良くなっているということが客観的なデータをもとにわかるようになってくると、歯科衛生士と患者さんとの間の信頼関係が生まれ、それによる口腔内環境の改善につながっていくということが、歯科衛生士にとってのやりがいにもつながっていったように思います。」

浦:
「患者さんのデンタルIQが低い段階で、予防を自費診療でやることの難しさというのはなかったのですか?」

(明日の後編に続きます)

(写真:つじむら歯科医院 総院長 辻村傑 先生)

インタビュアー:浦濱隼人
2013/04/24

写真: Doctor’s File☆[File no.005](前編)

【つじむら歯科医院 総院長 辻村 傑 先生】

神奈川県伊勢原市で、徹底した予防管理システムを構築することで、患者さんの幸せな人生をプロデュースしているつじむら歯科医院の辻村傑先生の思考に2日間にわたって迫ります。

浦濱(以下、浦):
「辻村先生が歯科医師を志したきっかけを教えてください。」

辻村先生(以下、辻):
「高校時代は、インターハイに出場するほど、乗馬に明け暮れる毎日でしたが、進路を選択する際に、このままエスカレーター式で大学に行くのは嫌だと思い、将来のことを真剣に考えるようになりました。小さい頃はむし歯で苦労していたのですが、かかりつけの先生は、しっかりと説明をしてくれる先生だったので、ネガティブなイメージをポジティブに変えていくことのできる仕事に不思議な魅力を感じました。小さいころから細かいことやモノを作ったりすることが好きだったことも後押しして、歯科大学に進もうと考えました。」

浦:
「開業されてからはどういう経緯で現在の予防管理型の歯科医院を構築されたのですか?」

辻:
「当時は1日に80人から100人程度の患者さんが来院していて、丁寧な治療を心がけていたのですが、どうしても何年かすると再発して戻ってくる患者さんがいるという壁にぶつかりました。現在とは少し考えが違うのですが、当時は未熟だったこともあり、その原因は保険診療の限界にあるのではないかと考えるようになり、そこから包括診療という自費治療主体の診療をするようになりました。」

浦:
「それによって、先生の抱えていた問題は解決したのですか?」

辻:
「一口腔単位の包括診療をするようになったことによって、高額な治療費用がかかるようになりましたが、既に悪くなってしまった口腔内ばかり治療していくということに対して、何か自分自身が奪略的な治療を行っているような気がしてしまい、本当にこれでいいのかという別の疑問が出てくるようになりました。一時は歯科医師を本気で辞めようかというところまで悩みました。」

浦:
「どうやってその問題を乗り越えることができたのですか?」

辻:
「当時、私はドイツ式の包括診療を学んでいたこともあり、フランス、ドイツ、フィンランドなど各国の歯科医院を見学に行きました。そうしたら、国民の歯科医院の利用方法が日本とはまったく違うということに気がつきました。第一に、特にフィンランドではその傾向が顕著だったのですが、国民が歯科医院に来るのに嫌な顔ではなく、ニコニコした笑顔で来院していました。悪くなったら来院するという繰り返しではなく、しっかりした検査と診断に基づく治療とその後のフォローという体制が確立されていたんです。まさに直感的に「このスタイルだ!」と思いましたね。」

浦:
「日本に帰国してからはどのようにして具体的な形に落とし込んでいったのですか?」

辻:
「歯科衛生士とともに、予防先進国の予防管理方法を吟味することから始め、まずは、200名の患者さんに対してエビデンスを収集することから始めました。患者さんは疾患の根本原因がわかることから、納得感も高くなり、やはり笑顔で来院するようになりました。2003年から『やるなら全員にやろう』という考えで、すべての患者さんにこれを行うようになりました。」

浦:
「予防管理型の歯科医院を構築するというのは、スタッフにも負担がかかることだと思うのですが、スタッフから異論が出ることはなかったのですか?」

辻:
「それはなかったですね。実際に患者さんの状況が良くなっているということが客観的なデータをもとにわかるようになってくると、歯科衛生士と患者さんとの間の信頼関係が生まれ、それによる口腔内環境の改善につながっていくということが、歯科衛生士にとってのやりがいにもつながっていったように思います。」

浦:
「患者さんのデンタルIQが低い段階で、予防を自費診療でやることの難しさというのはなかったのですか?」

(明日の後編に続きます)

(写真:つじむら歯科医院 総院長 辻村傑 先生)

インタビュアー:浦濱隼人
2013/04/24

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5/19(日)に辻村先生に講演していただけることになりました!たくさんの方に聞いていただきたいオススメセミナーです♪

※詳細&お申込みはコチラから
https://www.facebook.com/events/552201174789888/
 

Doctor’s File☆[File no.005](後編)

【つじむら歯科医院 総院長 辻村 傑 先生】

神奈川県伊勢原市で、徹底した予防管理システムを構築することで、患者さんの幸せな人生をプロデュースしているつじむら歯科医院の辻村傑先生の思考に2日間にわたって迫ります。

… 浦濱(以下、浦):
「患者さんのデンタルIQが低い段階で、予防を自費診療でやることの難しさというのはなかったのですか?」

辻村先生(以下、辻):
「保険制度の枠組みを考えると、これはもう予防は自費診療でするしかないと思いました。当時1,000名ぐらいの患者さんがいましたが、きちんとした根拠をもとに話をすると、殆どの患者さんは自費診療に同意してくれました。それと、近隣に若手の先生が開業してくれたことが大きかったですね。そのおかげで、自分のところですべての患者さんを見なくてはいけないというプレッシャーからも開放されました。そのため、自費診療の価格改定も行うことができ、診療時間も20時から18時までに短縮することができました。」

浦:
「普通とはまったく逆の発想ですね。辻村先生の医院のスタッフは、皆さんイキイキと仕事をしていますが、取り組みが増えてくると、スタッフの方が疲弊してきたりするということはないのですか?」

辻:
「私たちの歯科医院では、職種ごとの業務のみに集中することを徹底していますので、そのようなことはないですね。」

浦:
「職種ごとの仕事に集中できる体制が整っているんですね。予防管理型歯科医院の軸となる歯科衛生士の方の教育はどのように考えていらっしゃいますか?」

辻:
「私たちの医院では5年で一人前になれるようなステップを作っています。5年経過して、晴れて一人前と認められれば、医院から蝶のブローチをプレゼントします。当院では、この蝶のブローチをつけた歯科衛生士は個室スペースを持つようになり、患者さんへの対応から会計、次回のアポイントまですべて一人で完結してもらうような形で、いわば、個人事業主のようなかたちで仕事をしてもらうようにしています。歯科衛生士の社会的地位の向上も私が目標とすることのひとつです。このような形をとっているため、患者さんも何か困ったことがあると、歯科衛生士かコーディネーターに連絡をしてきます。」

浦:
「歯科衛生士ばかりが院内でクローズアップされると歯科助手との軋轢や仕事に対する温度差というのは生じないのですか?」

辻:
「歯科衛生士も歯科助手がいるからこそ、自分たちの仕事がスムーズに進むということをわかっていますので、お互いに尊敬の念をもって接していますから、そういうことは起きないですね。また、私たちの医院では、歯科助手でも様々なバックグラウンドを持っているスタッフがいて、全国大会に出場した経験を持つものや臨床心理士の資格をもったもの、イラストを書くのがうまいもの、フライトアテンダント経験者などがいますので、それぞれが自分の強みをいかした役割を担ってくれています。」

浦:
「先生の医院では困ったことは起きないのですか?」

辻:
「あまりないですね。週に1回、2時間のミーティングを開いていますが、日報をクラウド上で共有をしているので、殆どの問題がクラウド上のやりとりで解決して、どうしても取り上げる必要のあるものだけミーティングで議論して、そこで解決するようにしています。」

浦:
「素晴らしい仕組みですね。今後の辻村先生の展望を教えてください。」

辻:
「歯科衛生士の教育というのは難しいと感じますので、当院で活躍してくれている歯科衛生士が他医院で活躍できるような仕組みを作っています。ある試算によると、予防管理型の歯科医院を実践することで、歯科医療の需要というのは今よりも40倍はあるだろうと言われています。まさにブルーオーシャンですね。こうしたことに貢献できればと思っています。」

浦:
「辻村先生、ありがとうございます。」

(写真:つじむら歯科医院)

インタビュアー:浦濱隼人
2013/04/25

写真: Doctor’s File☆[File no.005](後編)

【つじむら歯科医院 総院長 辻村 傑 先生】

神奈川県伊勢原市で、徹底した予防管理システムを構築することで、患者さんの幸せな人生をプロデュースしているつじむら歯科医院の辻村傑先生の思考に2日間にわたって迫ります。

浦濱(以下、浦):
「患者さんのデンタルIQが低い段階で、予防を自費診療でやることの難しさというのはなかったのですか?」

辻村先生(以下、辻):
「保険制度の枠組みを考えると、これはもう予防は自費診療でするしかないと思いました。当時1,000名ぐらいの患者さんがいましたが、きちんとした根拠をもとに話をすると、殆どの患者さんは自費診療に同意してくれました。それと、近隣に若手の先生が開業してくれたことが大きかったですね。そのおかげで、自分のところですべての患者さんを見なくてはいけないというプレッシャーからも開放されました。そのため、自費診療の価格改定も行うことができ、診療時間も20時から18時までに短縮することができました。」

浦:
「普通とはまったく逆の発想ですね。辻村先生の医院のスタッフは、皆さんイキイキと仕事をしていますが、取り組みが増えてくると、スタッフの方が疲弊してきたりするということはないのですか?」

辻:
「私たちの歯科医院では、職種ごとの業務のみに集中することを徹底していますので、そのようなことはないですね。」

浦:
「職種ごとの仕事に集中できる体制が整っているんですね。予防管理型歯科医院の軸となる歯科衛生士の方の教育はどのように考えていらっしゃいますか?」

辻:
「私たちの医院では5年で一人前になれるようなステップを作っています。5年経過して、晴れて一人前と認められれば、医院から蝶のブローチをプレゼントします。当院では、この蝶のブローチをつけた歯科衛生士は個室スペースを持つようになり、患者さんへの対応から会計、次回のアポイントまですべて一人で完結してもらうような形で、いわば、個人事業主のようなかたちで仕事をしてもらうようにしています。歯科衛生士の社会的地位の向上も私が目標とすることのひとつです。このような形をとっているため、患者さんも何か困ったことがあると、歯科衛生士かコーディネーターに連絡をしてきます。」

浦:
「歯科衛生士ばかりが院内でクローズアップされると歯科助手との軋轢や仕事に対する温度差というのは生じないのですか?」

辻:
「歯科衛生士も歯科助手がいるからこそ、自分たちの仕事がスムーズに進むということをわかっていますので、お互いに尊敬の念をもって接していますから、そういうことは起きないですね。また、私たちの医院では、歯科助手でも様々なバックグラウンドを持っているスタッフがいて、全国大会に出場した経験を持つものや臨床心理士の資格をもったもの、イラストを書くのがうまいもの、フライトアテンダント経験者などがいますので、それぞれが自分の強みをいかした役割を担ってくれています。」

浦:
「先生の医院では困ったことは起きないのですか?」

辻:
「あまりないですね。週に1回、2時間のミーティングを開いていますが、日報をクラウド上で共有をしているので、殆どの問題がクラウド上のやりとりで解決して、どうしても取り上げる必要のあるものだけミーティングで議論して、そこで解決するようにしています。」

浦:
「素晴らしい仕組みですね。今後の辻村先生の展望を教えてください。」

辻:
「歯科衛生士の教育というのは難しいと感じますので、当院で活躍してくれている歯科衛生士が他医院で活躍できるような仕組みを作っています。ある試算によると、予防管理型の歯科医院を実践することで、歯科医療の需要というのは今よりも40倍はあるだろうと言われています。まさにブルーオーシャンですね。こうしたことに貢献できればと思っています。」

浦:
「辻村先生、ありがとうございます。」

(写真:つじむら歯科医院)

インタビュアー:浦濱隼人
2013/04/25

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5/19(日)に辻村先生に講演していただけることになりました!たくさんの方に聞いていただきたいオススメセミナーです♪

※詳細&お申込みはコチラから
https://www.facebook.com/events/552201174789888/