「がん」と「歯みがき」
2025.08.05
千葉県松戸市小金原 しんぽ歯科医院です。
がんのリスクが下がる? 歯みがきと歯医者の意外な関係
「がん」と「歯みがき」、あまり関係がなさそうに思えますよね?
実は、最近の研究でお口のケアががんのリスクに影響を与える可能性があることがわかってきました。
歯をちゃんと磨いている人はがんになりにくい?
2022年に発表された世界的な研究(Baiら)では、約5万人のデータを分析したところ、こんな結果が出ました。
• 1日2回以上の歯みがき → がんのリスクが約半分に!
• フロスを使っている人 → 使っていない人よりがんのリスクが約半分!
• 年1回以上 歯科に行っている人 → がんリスクが低い傾向!
逆に、
• 歯が5本以上抜けている
• 歯ぐきからよく出血する
• 過去に歯周病を経験している
という方は、がんのリスクが高くなる傾向があるそうです。
歯が多い人は、生きる力も強い?
さらに2024年の研究(Tasoulasら)では、口のがんになった患者さん約2,500人を調べたところ、
• 10本以上歯が残っていた人は、歯が1本もない人より生存率が高い
• 過去10年で歯医者に5回以上行った人も、生存率が高い
• 歯医者に通っていた人のほうが、がんが早期に見つかりやすい
という結果も出ています。
どうしてお口のケアでがんが防げるの?
はっきりした理由はまだ研究中ですが、いくつかのヒントはあります。
• お口の中の炎症や細菌ががんの進行に関係しているかも?
• 清潔な口の中では、ウイルスがとどまりにくい
• 歯みがきをしっかりしている人は、健康意識が高く早期発見につながる
また、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスは、口の中からも感染することがあります。歯みがきやうがいでウイルスを早く流すことができれば、感染リスクを下げられるかもしれません。
歯みがきが、がん予防になるかもしれない!
世界では毎年70万人以上が口や喉のがんにかかっています。進行してから見つかると、治療も大変で、生活の質に大きな影響を与えることもあります。
だからこそ、毎日の歯みがきやフロス、そして定期的な歯科受診がとても大切なんです。
「歯のケア=がん予防」と思えば、いつもの歯みがきもちょっとやる気が出てきませんか?