あなたも可能?インプラント適応症例と治療法
2024.12.05
1. インプラントとは?その基本と治療のメリット
インプラントとは、歯を失った箇所に人工の歯根を埋め込み、そこに人工歯を装着する歯科治療法です。インプラントは、入れ歯やブリッジと異なり、自然の歯に非常に近い見た目と機能を取り戻せるため、多くの人が注目しています。
インプラントの主なメリットは以下の通りです:
- 自然な見た目と噛み心地
- 健康な隣の歯に影響を与えない
- 長期間にわたる耐久性
しかし、全ての人がインプラントを受けられるわけではありません。次に、どのような人がインプラント治療の適応となるか、具体的な条件について解説します。
2. インプラント治療の適応症例
インプラントが適応するかどうかは、患者さんの口腔内や全身の健康状態に左右されます。インプラントの適応となる主な条件は以下の通りです。
- あごの骨が十分にあることが望ましい
インプラントは顎骨に埋め込むため、骨の量や質が十分であることが不可欠です。しかし、現在では骨が不足している場合でも、骨を補う治療を行うことでインプラントが可能になりました。 - 全身的な健康状態が良好であること
糖尿病や心臓病、骨粗鬆症などの全身的な病気がある場合はリスクが高まるため、事前に医師との相談が必要です。特に糖尿病が未治療の場合は、傷の治癒が遅くなる可能性があるため、インプラントの成功率に影響を与えます。 - タバコを吸っていないことが望ましい
喫煙者は、インプラントの成功率が低下することが報告されています。これは、タバコが傷の治癒を遅らせ、感染リスクを高めるためです。インプラント治療を検討する際には、禁煙をお願いしています。
3. インプラント治療法の流れ
インプラント治療はステップが多く、慎重に進められる治療法です。以下は、一般的な治療の流れです。
- 初診とカウンセリング
まず、歯科医師とのカウンセリングを行い、口腔内の状態や全身の健康状態を確認します。CTやレントゲンを使って、顎の骨の状態をチェックし、インプラントが可能かどうかを判断します。 - インプラント埋入手術
適応症例であると判断された場合、顎骨にインプラントを埋め込む手術が行われます。局所麻酔下で行われるため、痛みは少なく、手術時間は1時間程度です。 - 治癒期間(オッセオインテグレーション)
インプラントが骨としっかり結合するまで、数か月間の治癒期間が必要です。この期間中、インプラントは骨と融合し、安定します。 - アバットメントの装着
インプラントが安定したら、その上に人工歯(クラウン)を支えるアバットメントを装着します。 - 人工歯の装着
最後に、カスタムメイドの人工歯(クラウン)をアバットメントに取り付け、治療が完了します
4. 治療の期間と費用
治療期間は、個々の症例によって異なりますが、平均して3~6か月程度が一般的です。埋入手術後の治癒期間や、場合によっては骨を補強する手術を行うため、時間がかかることがあります。
費用に関しては、保険適用外であることが多く、1本あたり30万円~50万円程度が目安です。ただし、ケースによっては費用が上下するため、事前に詳しい見積もりを確認することが重要です。
当院の費用はこちらをご覧ください。https://shimposhika.com/fee/
5. 成功率とリスク
インプラント治療の成功率は非常に高く、95%以上とされています。しかし、リスクが全くないわけではありません。
代表的なリスクとしては以下があります:
- 感染症:手術後の口内ケアが不十分だと感染のリスクが高まります。
- インプラントの脱落:稀にインプラントが顎骨と結合しないことがあります。(ヘビースモーカ、重度糖尿病の方など)その場合、再手術が必要となることがあります。
- 神経損傷:下顎にインプラントを埋め込む際、神経に近い部分での手術では慎重な技術が求められます。
これらのリスクを最小限に抑えるためには、経験豊富な歯科医師に相談することが重要です。
6. インプラントにするべきか?
歯科医師と十分に相談し、自分の口腔内や全身の状態に適しているかを確認することが必要です。
まとめ
インプラント治療は、歯を失った方にとって理想的な選択肢の一つです。自然な見た目と機能性の回復、そして耐久性に優れています。しかし、治療の適応症例やリスクについて十分な理解を持ち、医師と相談した上で進めることが大切です。
記事の著者
しんぽ歯科医院 院長 新保 城一
しんぽ歯科医院は平成9年の開業当初より一貫して最先端の予防歯科医療の普及に取り組んでまいりました。
最初は治療目的で来院された方も歯科において予防がいかに重要であるかを十分に納得され、現在多くの方々が定期的にメインテナンスを目的として来院されています。
- アメリカインプラント学会
- 日本口腔衛生学会
- 日本歯周病学会
- JAID海外学術担当理事
- USC(南カルフォルニア大学)客員研究員
- ハーバード大学歯学部 リサーチコラボレーター
- 日本大学松戸歯学部歯周病学講座研究生
- 日吉歯科診療所 オーラルフィジシャン認定医
(予防歯科の日本における第一人者、熊谷崇先生に師事)